〈高浸透圧高血糖症候群〉
「高血糖高浸透圧症候群」と表記しているサイトもありますが、同じものです。
英語:Hyperosmolar Hyperglycemic Syndrome であることからHHSと略称を用いる場合もある。
以下、高浸透圧高血糖症候群をHHSと表記する。
本記事から得られること
知識を蓄えることで、
・HHSにならなくなる。
・なっても落ち着いて対処できるようになる。
もくじ
1.HHSの基本情報
2.現れる症状
3.体の中で起こっていること
4.HHSになった時の対処法
5.HHSにならないためにできること
1.基本情報
HHSは急性合併症の一つです。
症状が出ても放っておくと、死に至る危険があります。
同じ急性合併症である糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)よりも発症までに期間があります。
2.症状
・意識障害
・脱水
・のどが異常に渇く→多飲、多尿
・体重減少
・倦怠感(だるい)
・血圧の低下
・頻脈(脈が速いこと)
など
3.HHSが発症する仕組み、原因
主にインスリン非依存性の二型糖尿病の人や高齢者がなりやすいです。
発病の原因となるのは
感染症(肺炎など)、高カロリー輸液、薬剤(ステロイド薬、利尿剤など)、清涼飲料水の多飲など
インスリンは分泌されているが、血糖上昇を抑えるには足りず、高血糖(600mg/dl以上)になってしまうと発症します。
感染症にかかると体にとってストレスとなるために、拮抗ホルモン(血糖値を上昇させるホルモン)が分泌されて高血糖につながります。
清涼飲料水をがぶ飲みしたら、そりゃ急激な高血糖になります。
仕組み
インスリンが追い付かないほどの高血糖
↓
血液に糖が多すぎる(高浸透圧)
↓ 尿で糖を排出
多尿、体重減少
↓ 血液中の水分も排出してしまう
極度の脱水
↓
血液中の水分に対して糖が多すぎる(高浸透圧)
↓ 尿で糖を排出
…….(繰り返し)
↓
血液が濃縮
↓
体に支障をきたす(HHS)
HHSは症状が糖尿病性ケトアシドーシスと似ていますが、
糖尿病性ケトアシドーシスと異なるのは、
インスリンが分泌されていることで、ケトン体が存在しないか、あっても少量のため、アシドーシスにはならないということです。
良かった(?)ですね
4.なった時にできること、されること
症状が出たら病院に行きましょう。
素人ではどうしようもできません。
このあとにある 5.予防 を実践しましょう
治療の軸は
・脱水の補正(脱水状態からの回復)
・電解質(ナトリウムやカリウム / 脱水によって失われやすいもの)の補充
・インスリン治療
です。
よって
・生理食塩水の静注
→水分と電解質をゲット
・インスリンの静注
→血糖値を正常に戻す
が行われます。
5.予防(ならないためにできること)
・良好な血糖コントロール→高血糖対策
・十分な水分補給→脱水対策
・ストレス解消→高血糖対策
・清涼飲料水を多飲しない。ソフトドリンク飲み放題でもウーロン茶にすべし。
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